臨床実習における腰椎穿刺シミュレーション教育の実践
Kyoto NEXTでは、「学生が診療に参加しつつ、学習段階に応じた安全な学びができる環境を整えること」を重視し、臨床実習の中でのシミュレーション教育の活用に取り組んでいます。
実際の患者さんの診療に携わる日々の中で、あわせてシミュレーションを通じた手技経験を積むことで、実臨床の文脈を意識した学びを可能にします。
その一環としてこのたび、脳神経内科の協力のもと、腰椎穿刺シミュレータを活用した学習機会を設けました。
腰椎穿刺は、髄膜炎や脳炎などの診断に必須の臨床スキルであり、脳神経内科・脳神経外科に限らず、救急医や一般内科医も身につけるべき重要な手技の一つです。
一方で侵襲性を伴う処置であるため、医学生が臨床実習中に十分な経験を積むことは容易ではありません。
今回の実習では、実際の臨床現場を想定した腰椎穿刺シミュレータを用い、
・解剖学的ランドマークの確認
・体位の取り方と穿刺角度の理解
・針を進める際の抵抗感の体験
といったポイントについて、指導医のフィードバックを受けながら実践的に学びました。
臨床実習で担当した患者さんや見学した手技を思い起こしながら学ぶことで、単に手技の「やり方」を覚えるのではなく、なぜその手順が必要なのか、どのような点に注意すべきかを言語化し、内在的な知識として統合する学びが促されます。
学生からは、
「実際に触れることで、教科書だけでは分からなかった感覚が理解できた」
「いきなり患者さんで行う不安が軽減された」
といった声が聞かれました。
シミュレーションを通じて、手技への自信だけでなく、今後自らが侵襲性を伴う処置を担っていくという責任感や、患者安全への意識が高まったことも、本取り組みの重要な成果です。
今後もKyoto NEXTでは、腰椎穿刺に限らず、学生が臨床現場で主体的に学ぶための「足場架け(scaffolding)」としてのシミュレーション教育を、引き続き充実させていく予定です。
