高度医療人材養成拠点形成事業 Kyoto-NEXT

事業概要

プロジェクトの背景と目的

医療技術の進歩や医療現場の複雑化に伴い、次世代を担う医療人材にはさらなる高度な知識と技術、そして全人的視点とプロフェッショナリズムに基づく幅広く深い臨床能力が求められています。また、少子高齢化が進む日本においては、教育する側でもある医療従事者の負担軽減も同時に達成せねばなりません。さらに子育て世代の医療従事者を支援するための体制整備や、男女共同参画の推進も社会的に非常に重要な課題となっています。

こうした背景を踏まえ、京都大学では文部科学省の高度医療人材養成拠点形成事業において、「AIの活用」と「屋根瓦式教育」を組み合わせ、次世代の医療人材を育成するための新たなプログラム「Kyoto NEXT」を発足させました。本事業は、学生からエキスパートまでの幅広い医療人材を支援し、人材育成と効率性を同時に達成した持続可能な人材育成システムの構築を目指しています。

事業理念

「Kyoto NEXT」の主たる理念は、「単なる雑用はAIによって省力化する」+「教える側もともに成長できるような教育は屋根瓦式に人間が行う」です。AIの活用では、臨床研究と医療教育の現場における効率化を図り、医療従事者がより多くの時間を患者ケアや研究、そして教育に充てることを可能にします。また、「屋根瓦式教育」を促進することで学びのサイクルに基づく医療人材の持続的な育成を行います。従来の「屋根瓦式教育」は自発性とボランティア精神に基づく属人的な要素が避け得ませんでしたが、本事業ではTA(ティーチングアシスタント)、RA(リサーチアシスタント)、SA(スチューデントアシスタント)を制度として運用し、組織のバックアップを受けたシステムとしての次世代型屋根瓦式教育を構築します。

このプログラムでは、学部生から大学院生、研修医、さらには臨床医や研究者まで、各段階で適切な指導とサポートを受けながら成長できる環境を提供します。また、医師だけではなく多職種による教育支援体制を構築することで、医療チーム全体での教育体制を強化し、「教育もチームで行い、臨床もチームで行い、研究もチームで行う」ことをシームレスに実施します。これにより、本事業による拠点形成とそれを通じて養成される人材が、我が国の医学・医療の発展、国際的な臨床研究の促進に資することを狙います。

用語解説:屋根瓦式教育

「屋根瓦式教育(または屋根瓦教育)」という名前は、日本の伝統的な瓦屋根の構造に由来しています。瓦屋根は、瓦が互いに重なり合って支え合う構造をしています。上にある瓦は下の瓦に支えられ、同時に下の瓦も上の瓦を支えることで全体として安定した構造を保ちます。このような相互支援の仕組みが教育のスタイルにも反映されているため、このようにと呼ばれています。具体的には、上級者(教授や先輩)が中級者(助教や講師)、そして初級者(学生)を順に指導することで、知識や技能が段階的に伝達されます。このプロセスでは教える側もまた学びながら成長できるため、教育効果が高まります。このように全ての層が互いに支え合うことで、教育の質と持続性が向上することを意図しています。

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